将棋初心者向けの記事を書こうと思っていたんですよ
めちゃくちゃ久しぶりに書くのに全く脈絡のないことを言い出して申し訳ないのですが、そもそもわざわざ書くほど書きたいことが無くて書いてなかっただけなので、書きたいことを書くために書きに来たので必然なんですね(?)。
ということで今回は将棋初心者向け。初心者も初心者で”駒の動かし方と基本的なルールがわかる”という人向けの記事を書くためにここまでやってきたんですよ。
なんで将棋のプロでもアマ段でもない私がこんなことを書こうと思ったかというと、将棋の入門って駒の動かし方を覚えて、次が詰ませる方法であるのはいいと思うんですけど、大体次が駒損手損だったりすると思うんですよ。
これはもう教える側に立ってしまった人が当たり前にこなしていることだからあんまり触れられない点で、”駒の利きを見る・駒の紐を見る”というのが詰ませ方の次に触れるべき情報だと思っていて、一手の損得というのは言ってしまえば勝敗に関わる判断材料で、それを積み上げていけば勝ちにつながるというものなんですけど、それをどう考えていくかという”一手”を考えるところに駒の利き・紐がかかわってくるので、これを抜かしてしまうと四則演算だけ覚えて中途半端に一次方程式を解かせるようなもので、解にたどり着ける子はいるものの、そこまでに余分な思考も発生してしまうし、基本的には解にたどり着けないので将棋が好きではなくなってしまう。ということになってしまうと思うんですよ。なのでせっかくそこそこ指せるようになった私が誰も書かないならかいたるかという感じでここに至ったわけですね。
久々に文章を書くととりとめがなくなってしまって前置きが長くなってしまいましたが、ここまではただの動機なので読み飛ばしても何の問題もないです。
そもそも駒の利きとは何なのか
さっそく今回のメインである駒の利きというものについて考えていくんですけど、言ってしまえば次に駒がどこに動かせるかということです。
GIMPで一晩かけて作ったので見づらくても許してほしいんですが、
これが初手で駒がどこに動けるかということなんですけどここが駒が利いている目になります。ここに何かを指しても次の手番ですぐに取られてしまうところということですね。
でちょっとわかりにくいんですがこれが駒を取った時に次の手で別の駒で取り返される場合の駒の利きですね。濃いほうがそこに行ける駒が多くて、例えば左端の歩には香車・角行・桂馬がいけますが、その右の歩の目は行ける駒がない*1そしてその左の歩には角と桂がいけるといった感じで表してあります。そしてその駒が取られたときに取った駒を取り返せる状態を、紐が付いたと表現します。今赤くなっている駒に紐がついていて、色のついていない駒には紐がついていないので、このままならタダでとれるという状態です。
でその駒の利いている目を紐も込みで全部色を付けたのがこれです。
今は7七の歩を7六に動かしたことで、角が右上に動けるようになって斜めに利きが生まれた。これを角道を通すというんですがでもこのままでは特に意味はなくて、例えば3三の歩を取ろうにも点対称なので相手の角と桂が利いています。後々なんかあった時のために角が利いていると便利、ということで角の道を開けた一手になりますね。
それに対して相手は8三の歩を突きました。これは飛車先を突くと言って先手の角道に対して飛車の道を開けるための一手です。これは一手では飛車の動ける範囲がそこまで広がらないんですけれど、歩がなくなれば飛車の正面が常に飛車の利いている状態になるので、紐がきれてしまえばいつでもその駒を飛車でとれるという状況を目指す一手です。もっと短期的に見れば、相手の角の頭を狙い、何も対応しなければそこを飛車で攻める基本の形です。
三手進んで先手銀が6八、後手は歩を8五と動かし、先手が銀を7七と動かしたところです。後手は狙い通り角の頭を突きたいのですが、先手もそれをされては困るので、銀で受けたという形になります。そうなると8六の地点が先手は歩と銀。後手は歩と飛車が利いているので先に仕掛けたほうが駒を損するという形になりますね。
それに対して後手も角の道を開けて角の利きを7七まで通してきました。このまま7七の銀を角で取っても角で取り返されてしまい、角と銀の交換になるので損なのですが
変な手なんですけど、ここで先手が角を引くと銀に紐がついているのが桂馬だけになって
ちょっとわかりにくいんですが後手が角で銀を取りそれを桂馬で取り返し、桂馬だと8六の地点に利きがなくなってしまったので後手が歩を突いて先手が取り、後手が飛車で取り返した形になります。将棋では成るというのは駒が強くなるので*2七段目より下には入ってほしくないんですが、現状ではまず角でふさごうにも
8七に何も利いていないので意味がなく、8八飛車とすると
一歩損してしまいます。まあ角の分得しているのでこれでもいいのですが
こうして金をあげておくと
こうなった時に
こうなって相手の龍を封じられるので、こういう受け方もあります。
まあこういう手は相手が考えていれば成立しないのでただの余談なのですが、
本譜では飛車を交換して角でとったところの8七に飛車をさされて仕方がないので7八に金で受けて飛車が逃げ帰ったところに8五歩としたみたいですね。画像作ったのが昨日なので覚えていない
これはまあ利きの話なのでちょっと展開が無理やりな場面があるんですが、今この場面矢印の通りに利きがあるんですが忘れやすいのが桂馬の利きということで、こんなあからさまに歩を指されればさすがにわかるんですが、何手か前に置いてあった奴だとここただやん!って感じで忘れていて飛車を取られるということがよく起こります。
ここでさらに気を付けなければいけないのが桂が跳ねた後に角の道が開くというところで、これも結構忘れやすいというか角道を開けるための動きなら角道開けたんだなとわかるんですが、飛車を取りに桂が跳ねたついでに角道が空いてしまうと桂のほうに意識がいってしまい、開いていることに気が付かないということもあります。
まとめ
とまあいろいろ話してきましたがとられたくない駒、相手が狙っている駒には紐をつける。
取りたい駒の紐を確認する。
指そうとしているあたりの自分と相手の駒の利きを確認する。
など駒がどこに動けるのか考えるというのは当たり前すぎてみんな教えてくれない基本の一つです。これができて初めて何手か先を考えたり、受ける際に数で受けるであったり、詰みが足りているか、確認できるわけですね。
例えばわかりやすい局面として
玉の頭を攻めるわかりやすいロケットなんですが、歩を突いてあとは直進できる駒で終わらせるみたいな数の攻めで5二の地点に駒の利きをあつめているわけです。
現状では歩金香金香飛飛王と清算して受けが足りているのですが、
例えばこれがこうなっていて角がただやんととってしまうと
さっき受けに使っていた飛車の分がなくなってしまうので受けられなくなる。
これも利きを見る一つですね。
そしてもう一つ見落としやすいのが
この状態王の上は金金が守っているのでたとえ桂が跳ねて次の手で王手されても全然受けが足りているように見えますが、
桂ならずで王は前にも斜めにも横にも相手と自分の金があり動けない、桂をとれる駒もないため一手で詰んでしまいます。
こうやって駒の利きを考えそのうえで次の手を読めるようになって初めて何手か先が読めるという初心者向けのお話でした。